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INTERVIEW

インタビュー

SPECIAL INTERVIEW ICEE and FABBREEZY

  • スペシャルインタビュー
2017.07.28 UPDATE

JUSTE DEBOUT 2013のHIP HOP世界チャンプである2人が、StYlE JuNcTiOn出演の為、来阪。独自の世界観と個々のテクニックを存分に反映させたショーを披露し観客を唸らせた2人にインタビューを敢行。ダンススタイルについてや自身のルーツの話、フランスと日本のシーンの違いなど多岐に渡り質問してみた。ヒップホップダンサー必読!


ICEE
出身: Paris
年齢: 34歳
ダンス歴: 27年
所属チーム: FORZESOUND

FABBREEZY
出身: Paris
年齢: 38歳
ダンス歴: 20年
所属チーム: KAYNIX/ GHETTO-STYLE


ーダンスをはじめたキッカケ、今のスタイルに到るまでを簡単に教えてください。

ICEE: ストリートダンスではなかったですが、家族がまず踊っていたことで、自然な流れでダンスを踊り始めました。別にプロフェッショナルに踊ってたわけではないですが、音があれば勝手に踊る。僕らにはごく普通なことでした。親を見て、赤ちゃんが立つように、周りがみんな踊ってたので、僕も踊ってました。
ストリートダンスとしては、80年代にSydneyっていうダンサーがフランスのテレビで、ヒップホップカルチャーを紹介する番組をやっていて、それに影響を受けましたね。僕らの世代は、この番組を見てダンスを始めた人が多いです。1990年くらいにヒップホップに出会ったという意味で、ダンス歴が27年ほどになりましたね。

FABBREEZY: 僕も家族の影響を多く受けました。ICEEとは違い、我が家は音楽家族でした。母親が、グアドループ島にて「KARIBANA」というグループで活動してました。また、父親はパーカショニストとして活動してました。なので、家の中に常に音楽があった感じですね。だから、楽器をやらずとも踊ってしまいますよね。ストリートダンスやHIPHOPカルチャーに出会ったきっかけは、ICEEが言っていたSydneyの番組や、テレビで見たLL Cool JのPVとかです。ICEEもオリジンとして、グアドループ出身なので、似た文化を持っているかもですね。グアドループ島は、アメリカやジャマイカにも近く、レゲエやヒップホップがフランス本土とは別ルートで入ってきた経緯もあります。

 

ーそれぞれに質問です。お互いを初めて見た、認識したエピソードを聞かせてください。

FABBREEZY: ストリートで練習するようになった頃からよく出くわしてました。おそらくどこかの練習場所が初めてですかね。そして、彼とはよく話が合うなとは感じてました。親しくなるにつれて、グアドループ出身であることも知り、親近感が湧きましたね。

ICEE: FABBREEZYと知り合ってから、かれこれ10年になります。彼は、自分を凄く良く評価してくれてたし、とても良い関係ですね。そして彼は、僕より思慮深いところがあり、とても尊敬できるんです。いろんな場面で話したり、踊りあったりしているうちに、仲良くなりました。


ー2013年のJUSTE DEBOUTでは一緒に出て優勝という結果を残しましたが、一緒にバトルに出るのはこれが最初だったのですか?

ICEE: 2013年のJuste Deboutで初めて二人で組みました。二人で組むことは僕にとってはチャンスでもありました。彼とは、ビジネスではない何かで繋がっていて最高ですね。良い思い出です。

FABBREEZY: ICEEと踊ると、1+1じゃなくプラスαがありますね。それを感じてたから一緒に出る流れになりました。何かがきっかけとかではなく、自然な流れで一緒に出ることになったと記憶しています。また、僕の中ではバトルというのは「戦い」ではなく、「ゲーム」です。
それを理解してくれるのも大きいですね。何故この二人で出ることになったのかは中々言葉では説明しにくいですね。言えるのは、芸術的なエクスチェンジの一つであるということです。


ー今回のスタイルジャンクションのショーはどういう感じで作っていますか? ストーリーやコンセプトがあれば教えてください。

ICEE: 今回のショーは、グアドループ系フランス人である私たちをレペゼンした選曲を意識しました。FABBREEZYが大まかな振りを作り、そこに僕のアイデアを乗せていくという形で作りました。二人とも共通しているヴィジョンを持っているので、苦労せずに作れた気がします。ステップ系で僕にはないアイデアだったりにも出会え、新鮮な部分もありましたね。

FABBREEZY: ICEEが言う通り、僕らの共通点はグアドループ。ショーの冒頭だったりにその要素や思いを込めました。また、僕らのダンス人生においてキーワードであるコネクションというのがコンセプトの一つでもありました。今回のショー作成にあたって、直前までお互い別々の仕事をしていたりと忙しくなかなか会う機会がありませんでしたので、選曲とコンセプトに関してはメールでやり取りし、僕の方である程度振り付けなども決めさせてもらいました。しかし、ICEEも流石で、僕にないアイデアをくれました。まず、日本に着いて、最初の夜にホテルの僕の部屋で打ち合わせして、曲の編集を完成させてました。それからスタジオでひたすら練習しましたね。同じフランスのヒップホップシーンを生きて、同じオリジンを持つ僕らは、このスケジュールでもショーを完成させる自信はありました。そして、ICEEの振り覚えの良さにだいぶ助けられました。笑


ーダンスを踊る上で大切にしている事は何ですか?

ICEE: 「自分自身を表現する」がモットーですね。技術的には、練習さえすれば誰でも上手くなると思います。しかし、自分らしく踊るには、意識が必要だと思っています。練習の時に意識して、それが無意識になるまで。それでまた意識しての繰り返し。そして、自分の体を知ることも重要ですね。本来の自分はシャイな性格ですが、ダンスのおかげで自己表現を知ることができました。ダンスは、子供から大人に成長させてくれる素晴らしいものだと思ってます。

FABBREEZY: 僕にとって、ダンスとは、「芸術」であり、「会話」であり、「精神性」だと思います。身体による言語表現です。心が何を表現したいのか、いつも自分に問いかけています。それは歌やデッサンと一緒で、何かを伝えることなんです。音楽を知らない人へ、自分の体を通して通訳もしくは伝道師になりたいと常々思いながら踊っています。それこそコネクションだと思います。魂とライフのコネクションです。


ー同じ島=グアドループの出身でその島出身のダンサーがうまいダンサーが多いという話を少ししていましたがそれについて詳しく教えてください。何故その島出身のダンサーはうまいのかというところの秘密があればそこも。

FABBREEZY: グアドループは陽気なカリブの島ですよ。天気も景色も空気も全てが最高です。しかし、背景には奴隷として連れてこられたアフリカ系、先住民族のインディアン、そして宗主国のフランス系やラティーノが混在しています。その混ざり合った文化は独自の発展をしました。それは、ブラジルでサンバ、キューバでサルサ、ジャマイカでレゲエ文化が生まれた様なものです。グアドループ音楽は、激しいパーカッションが特徴です。そこから生まれた伝統的なダンスは、音楽に合わせて生まれたステップ中心のものですね。そして立地上、アメリカやジャマイカ、キューバに近いので、そこからの影響も大きいです。それは、政治などの面でも言えますが、音楽やダンスなどの芸術面でも言えます。そして、道端で音楽があれば踊っちゃう様な性格の持ち主が多いところに、この島のダンスシーンのヒントがあるかもしれないですね。また、どんな音楽でも踊る性格上、HIP HOPで80年代、90年代、そして現在に至るまで、音楽の変遷があっても、ダンスで対応しやすい文化だと思います。

ICEE: FABBREEZYの補足をすると、日本ではグアドループ島はそこまで有名じゃないかもしれないですが、キューバやプエルトリコ、ジャマイカの様に、独自のダンス文化を持っています。それでみんな当たり前の様に踊ります。上手い下手もありませんよ。好き勝手に踊るんです。そんな国民性というか、島の表情です。そして、アメリカに近いので、おそらくHIP HOPの歴史も40年近くになります。アメリカの良いところ、ダメなところも含めて影響されているんでしょうね。


ーHook Up!、STYLE JUNCTIONに参加して感じたことを教えてください。

ICEE: Hook Up! では、ジャッジをさせてもらい、色んな違いを知れたのはとても良い経験になりました。というのも、今まで、ハウスというジャンルにおいて、僕の中での印象は東京だったんです。大阪のイメージは、POPとHIPHOPでした。そして、今回、大阪の生のハウスダンサーはとても新鮮でした。東京とはまた別のシーンがここにはありました。多分、他の都市からのエントリーもあったとは思いますが。
何が違うかというと、東京はステップが中心ですが、体を駆使して踊れている人が多かった印象があります。

FABBREEZY: 全部は見れなかったけど、ICEEの言う通り、東京と大阪の違いをとても感じました。東京はハウスダンスの王道を踊っているイメージ。大阪はそれよりも自己表現に重きを置いている感じに見えました。同じハウスミュージックから、こんなにも違う表現方法が出てくるのかと驚きました。一つの国でここまでシーンが違うのはアンビーバブルですね日本の奥深さ、ボキャブラリー豊富なところに、感心させられました。

ICEE: STYLE JUNCTIONはとにかくちゃんとオーガナイズされていましたね。フランスのシーンも、オーガナイズ面では勉強しなきゃですね。そして、色んなジャンル、色んなジェネレーションが出演していました。見に来たオーディエンスの人たちは相当楽しめたんではないでしょうか。

FABBREEZY: 大阪のシーンを垣間見れた気がします。色んな年代の人が出演して、とても盛り上がっていましたね。その空気を感じながら踊れて、嬉しかったです。日本のオーディエンスは、ダンスを熟知している人が多い印象があります。そんな中の待ち時間は、非常に緊張していて呼吸もままならなかった感じでしたが、一度舞台に上がると、オーディエンスからのパワーを貰うことができ、楽しく踊ることができました。ありがとうと言いたいです。印象に残っているショーは僕らの直前に踊っていた「STRUT」ですね。出番の直前だったので、舞台袖から見てましたが、正面から見たかったです。また、イベントを通して感じたのは、何故か80年代の様な会場の一体感を感じました。大阪のみんなが作り上げた雰囲気なんだと思ってます。最高でした。


ー日本のダンスシーンでのコンペティションは主に、「ダンスコンテストチームでのショーのコンペティション」と「バトル」の大きく2つに分けることができ、ダンスで生活する人の多くはインストラクターとして生計を立てています。フランスとのシーンの違いやあなた達の状況を教えてください。

ICEE: ひとまず、フランスでのダンスを大きく二つに分類すると、バトルとシアターでの仕事があります。僕の中で、バトルはやりたいこと。シアターダンスに関しては生活の為という側面があります。しかし、どちらともに共通することはコネクション。人との繋がり、音楽との繋がりが重要です。そして、どちらも芸術の世界であることに変わりはありません。これからも自分は自分らしく、コネクションということを意識しながら、やりたい様にやっていくつもりです。それはバトル、シアターに限らず、テレビでの仕事、芸術、全てにおいてですね。そして、日本と比較というと、シアターでの公演が少ないとよく耳にします。それはシーンの違いだったりからくるものなのかなとも思います。フランスには昔から、コンテンポラリーやバレエなどの舞台文化が根底にあり、みんなが見に来て、みんながその作品について批評するのは当たり前の事です。そこにここ十数年ほどはHIP HOPだったりストリート作品も食い込むようになっていますね。そこに大きな違いがあるように思います。しかし、日本にはフランスとは違った長いHIP HOPの歴史もあり、羨ましい部分です。そして、日本をレペゼンしている人が沢山います。お互いの交流が、今以上に増えたら、お互いにより良くなれる気がします。

FABBREEZY: フランスと日本では、お互いに自分たちの色を持つHIP HOPシーンを作り上げていると思っています。国民性も違うので、どちらにも良いところがあります。そして、そんな両国がこれまで以上にシーンとして進化していくのに必要なのは、「コネクション」だと思います。それはICEEと意見は一緒です。それは共有するということでもあり、バトルの相手と、オーディエンスと、空間と、踊りを共有していく。それが上手くいった時に進化していくのでは。まだまだ、自分も色んなところに行って、色んなものと共有して、吸収して、自分自身を進化させたいですね。また、フランスのシーンに対しても、どうやったら進化していくのかも考えたりしますね。それのキーワードこそが、コネクションなんじゃないかと。シアターでの公演には、政府や自治体の補助金や援助があります。また、バトルなどの大会にも支援されるようになってきました。それは、政府が文化として認めてくれて、更には若い人を育てる目的として、HIPHOPを使ってくれています。そして、フランスでのシーンの拡がりは、ビジネスとしても成り立つようになってきました。日本とはまた違うビジネス体型だと思います。フランスの現在直面している問題は、HIP HOPが知らない人に利用されてしまい、言い方は悪いですが、悪用されてしまうことです。日本でもそのような問題は起こり得ると思いますが、今回のイベント出演で感じたみんなのパッションがあれば、大丈夫だと思います。僕たちもパッションが必要だと勉強になりました。


ー今まで自分自身が踊ったバトルで一番印象に残っているバトルは何ですか?

ICEE: まず、Juste Deboutですね。2003~2007年のCourbertainでの開催時代、足を運ぶのが楽しかった記憶があります。Bruceのおかげで、世界中の有名ダンサーを見ることができ、一緒に空気感だったりを感じれました。大会としてのバトルだけでなく、サイファーもゾクゾクしました。それは、現在のBercyでの開催よりも、小さな会場だったので、一体感が凄かったです。パリにいながらにして、世界中の人と出会い、友達になれました。今からすると、とてもラッキーですよね。そして、やはり印象深いのが、FABBREEZYと出演し、優勝できた2013年のJuste Deboutですね。
YouTube: Hip Hop Final – Juste Debout 2013 Bercy

あと、印象に残っているのは、2008年のWho Is?とかですね。でも、毎回、バトルには思い出があり、全てを大事にしています。これからもそのスタンスは曲げたくないですね。

FABBREEZY: ICEEと出た2013年Juste Deboutは最高でしたね。化け物が揃う中で、あの優勝経験は忘れられません。そして色んなエクスチェンジができました。それ以外では、2009年のWho Is?あと、2014年、オーストリアのザルツブルグ開催のFLAVOURAMA BATTLEも二人で優勝できたので、とても良い思い出ですね。
YouTube: FLAVOURAMA BATTLE 2014 FINAL HIPHOP – Icee & Fabrice (FR) vs. Stylez-C & Melokow (CH/FR)


ー今後の展望などがあれば教えてください。

ICEE: ダンスは人生そのものなので、基本的にスタンスは変わりません。今までバトルを色々してきました。これからはもっと振り付けの世界でも活躍の場を増やしたいですね。そして、音楽とダンスの間を行き来するような生活に憧れます。あと、最近は中国に行く機会が多くあり、中国のシーンにも貢献できたらなと思っています。中国に限らず、いかなる場面でもカルチャーの為に生きていきたいですね。

FABBREEZY: 今までの様々な活動を踏まえ、HIP HOPカルチャーが大好きです。そんな自分の好きなHIPHOPが綺麗にあり続ける為に、自分にできることがあると思っています。これからもこの文化とともに仕事をしていくでしょう。また、テレビやグッズなどに関しても、間違った発信の仕方をしないように注意を払いたいですね。人生ですから、これから何が起こるかわかりませんが、変わらずHIP HOPと歩いていきますよ


ー日本のダンサーにメッセージを

ICEE: 魂を持って踊ること、主張を持った踊り、そしてリスペクト精神を持ち続けてください。みんなでこのカルチャーを楽しみましょう毎回、日本は楽しいです。ありがとうございました

FABBREEZY: 革命を怖がらず、踊ってください。また日本に呼んでもらえる様に、自分も磨いておきます。また会いましょう。呼んでくれてありがとうございました。

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