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FOR INTERNATIONAL CONTESTANTS

INTERVIEW

インタビュー

B-GIRL CHAMPION INTERVIEW AYANE

  • スペシャルインタビュー
2018.12.20 UPDATE

BATTLE OF THE YEAR 2018 FINALの前日に開催された"BOTY B-GIRL 1vs1 BATTLE FINALで世界の強豪B-GIRLを倒し見事世界一となった "AYANE"にインタビュー。日本予選の振り返り、決勝大会の様子、ブレイキングやバトルに対する考え方や取り組みなど、盛り沢山のインタビューをCHECK!

 

 

 

 

ー2015年のBOTY B-girl 2vs2では世界大会でNOAさんと組んで優勝してますが 今回日本予選に出場しようと思ったきっかけはなんですか? 

あの時はNOAと出ましたが、NOAがその後ダンスから離れて相方という存在がいなくなって、もうこの大会には出ないだろうなと思っていたんです。そしたらBOTYのB-GIRLバトルが2vs2から1vs1になると聞いたんです。その時がちょうど、どこかのバトルに招待されることもないし「自分で出に行かないとチャンスが無い」という状態でした。「これは自分で獲りに行かなあかんな」と思いましたね。やっぱり自分で挑戦してチャンスを作ろうと思いました。

 

 


ー日本の国内予選自体が世界的に見てもレベルが高く、まず国内予選を勝ち抜く事が非常に難しい状況ですが、今回の国内予選を振り返ってみてどうでしたか?

あの日の予選は自分でびっくりするくらい調子良かったんですが、トーナメントに入った瞬間に緊張し始めたのか、気持ちと体が噛み合わなくて空回りしている状態でした。準々決勝の「CON」ちゃんと当たった時も、踊りながらも凄く焦っていました。そのバトルをなんとか勝てて、これはちょっと気合い入れ直さないと駄目だと思って当たったのが「RAM」ちゃんでした。

 

 

 

その時はユース世界選手権で優勝した後で凄く話題になっている子でしたし、私もユース世界選手権を見に行っていて「やっぱり上手いな」と思ってたんですけど、直接当たることが今までなくてやっと当たれたという状態だったんです。関東のB-girlは凄い安定しているし、シルエットとかもカッコいいし、自分とは対照的という印象なんですが、「RAM」ちゃんに関してはパワフルな部分もあるから自分と似ているところもあるし、そういう面でも負けられないなと。まあ「RAM」ちゃんが自分よりも若いというのもありますし。だからその時はキラームーヴを結構出しました。まだ空回りしてたけど「気持ち的に頑張ろう!気合で押し切ろう!」と気持ちを切り替えて頑張れました。
決勝に関しては「MiMz」ちゃんは自分とは正反対のタイプ。だからこそ憧れの部分もあるんですけど、でもそういう人と当たる時は凄く苦手意識があって相性悪いなというのがずっとありました。なのでまずは落ち着いて自分らしさをしっかり出そうと思ってました。バトルが始まると、1曲目が完全に相手が得意とする感じの曲だったので少し不安になりつつも、ここは落ち着いてこの曲での自分をしっかり出そうと切り替えました。それと3ムーヴだったので体力は絶対切らさないでおこうと決めてました。

 

 


ー実際バトルしてみて勝ち負けの実感としてはいかがでしたか?

見てる人がどう感じてたか分からないですけど、自分的には相手よりフレッシュさを出そうと思ってました。それはこのバトルだけではなくていつも意識していることですね。2本とか3本の中で同じような感じでは踊りたくなくて、「こんな事もできる、あんな事もできる」という幅を見せたいんですね。やっぱり私は雰囲気とかを出し切れないので内容の面でフレッシュさを出そうと思っているんですが、それはできたという実感はありましたね。

 

 


ーそのバトルで勝利し見事日本代表になった訳ですが、世界大会までの間にそれに向けたトレーニングとか対策はどのような事をしましたか?

海外のB-girlは個性的だったり、驚くようなムーブが出来るB-girlが沢山いるんですけど、結構バテちゃって出し切れず終わる子とか、成功率が低い子が多いんですよね。だから自分は自分のムーブを出し切れる土台を作った上で大会に臨みたいなと思いました。まず体力は落とさない。落とさないどころか更につけないとダメだなと思って、普段は全然筋トレしないんですけど体幹トレーニングとかはしましたね。あと、いつもしている事ですが、実際に踊り込んで体力をつけるという事ですね。成功率を上げる事を意識して練習してました。

 

 


ー1人で仮想相手に対してインターバルをおいて踊ってみたりとかですか?

そういうのもしますが、弟のシゲキ(Shigekix)に相手してもらう事もありました。

 

 


ー国内予選から世界大会の間の期間で結構バトルは出たのですか?

いえ、その期間は全然出ませんでした。私生活の面で大学の事があったりで、出るタイミングがなかったんですよね。でもそのおかげで世界大会だけにフォーカスして練習ができました。

 

 


ー世界大会に出てきた他の7人はチェックしてたり、知り合いだったりしましたか?

いえ、知り合いは誰もいなかったです。ただ「KASTET」に関してはBCONEのB-girlに出ていたので知ってましたし、「AMI」ちゃんと一回戦で戦って話題になってましたし、チェックはしてました。

 

 


ーその「KASTET」には準決勝で当たりましたね。

それが実はルームメイトだったんです。話してみたら同い年で仲良くなりましたけどお互い英語が上手くないのであまり深い話はしなかったですね(笑)。

 

 


ー「KASTET」とのバトルで意識したことはなんですか?

彼女のBEST8のバトルを見ていて、抑えて踊っていた印象で、この子の一番強いネタは準決勝以降の為に取ってあるんだろうなと思ってました。だから準決勝は自分は一番強いネタを持って行こうと思ってましたね。1本目は取って、2本目は取られて3本目になったんですけど、逆にそこで相手の焦りが見えたので私が落ち着いて決めれるムーヴを持っていけば取れるかなと思って頑張りました。それと相手ができないことをやろうと思ってやりました。

 

 


ー決勝の「RAMONA」はフットワーカーというかスタイラーですね。

日本予選の「MiMz」さんじゃないけど、相性は悪いなと思いましたね。

 

 


ーこのバトルを見ていてアヤネさん、バトルを楽しんでるなと感じました。

そうですね。今まで色んなバトルに出て大きくても小さくても、私はナーバスになるとムーヴがダメになるんですよ。カチカチになって音も全然入ってこないし、変に焦ったりするので、まずはその場を楽しむことを常に心がけています。

 

 


ートータルで見て勝因は何だと思いますか?

まずは経験値ですかね。今まで自分が出に行ったのがきっかけで、いろんな海外のバトルに呼んで頂いたり、日本でも色々バトルに出たりして、バトルの場所に足を運んだのが、今回出ているどのB-girlよりも多かったんじゃないかと思います。一発目に当たったScarletも、もっと経験値が上がればもっと堂々とミスもなく踊れるだろうし、全体的にみんなそうかなと思いました。経験値の差と言うと凄く「上から目線」みたいなんですけど、バトルに出ている量、戦っている量というのは自分が一番多かったと思ったんで、まず気持ちの持ちようだったり、バトルでの自分の見せ方とか、というのは一番自分が考えてたかなと思います。

 

 


ー優勝した感想をお願いします。

まず日本予選にチャレンジして優勝できて、でもこのままじゃあかん、もっと成長してファイナルを迎えようと思ってそれに向けて練習して、それが他のB-girlとの差となって優勝出来たので本当に嬉しかったです。自分で練習して追い込んで、それがきっちりと結果に繋がったと自分で実感出来たから、すごい達成感があったし自信にも繋がりました。それと海外のバトルも、「日本代表」という形で出るのも凄く久々だったし、なんだかんだでプレッシャーを感じながら挑んでるのもあったので、日本に胸張って帰れるというので嬉しかったです。

 

 


ー今まではWe B-Girlz〜BOTY B-girl 2vs2で日本代表は9連覇でしたね。そして1vs1に変わったにせよ、10連覇というのは意識していましたか?

10連覇というよりも、とにかく「日本は強い」というイメージを持たれていると凄く感じました。世界中から色んなオーガナイナーがきてましたが、みんなが「Always Japan、Always Japan」と言ってきて、B-girlはジャパンだと言ってくるし、そういうのを聞いてると日本は強いというのが世界的な認識としてあるんだろうなと改めて感じました。だから日本代表として行ったからには、たとえ負けたとしても「アイツやばかったな、強かったな」というのを必ず残して帰りたいと思ってました。結果優勝できたし、「やっぱり日本は強かったな」というのは残せたかなと思います。

 

 


ーAYANEさんがブレイキングを始めたきっかけが「NARUMIvsSHIE-CHAN」のバトル。そしてこのBOTY B-girl世界大会は「NARUMI&SHIE-CHAN」でこじ開けた世界一のタイトルですね。そして今その影響を受けた世代が世界一になっているという事実に歴史を感じますね。

そうですね。やっぱり先輩達が築き上げてきたからこそ踊りやすい環境があったりとか、ある意味「日本が強い」と言われるから注目して見てくれる分踊りやすかったりもしますね。まあ逆にプレッシャーにもなるんですけど(笑)。でもまだ先輩方も色々と挑戦しているので、そういう方々の背中を見てまだまだ頑張らないといけないな、というのとやっぱり倒したいなというのもあります。存在は大きいです。

 

 


ー目標とするB-girlはいますか?

もともと、この人みたいになりたいというのがB-girlに対してもB-boyに対してもあんまりないんですが、「男に負けたくない」というのが元々ありますね(笑)。だから私は「この人っぽいな」というのもないと思います。でも、若い子たちが目指すような世界で活躍するB-girlになりたいとは思います。

 

 


ー弟がShigekix君という、次世代を代表するワールドクラスのB-boyな訳ですが、姉として弟をどう見ていますか?

自分が歩みたいと思っている道を歩んでいるので悔しいなって思う部分もありますが、凄くリスペクトしてますね。この世代のトップだねとか言われたりしてますが、そういった声にふんぞり返る事なく「チャレンジャー」としての姿勢をずっと崩さないんですからね。あの人(Shigekix)が私よりももっとポンコツなやつだったら自分は頑張れてなかったと思いますね。あの人は才能を開花させた上で努力家だからあそこまで行ってるんですけど、だからこそ負けたくないって思います。男と女で全然違うんですけど、女としてあの人の位置くらいに行きたいと思うし。そういった意味でも存在は大きいですね。

 

 

 

ーブレイクを踊る上で一番大事にしていることはなんですか?

自分らしさは消したくないな、と思います。一時期、キッズから大人になった時にすごくブレたんですよ。子供らしさが残ったら残ったでそれが邪魔している部分もあったし、だからといってちょっと抑えてクールにやってみたら似合わないし。周りから「どうしたん?」て言われたり、自分でもしっくりこなかったので、その間をさまよった時期がありましたね。まあ今でも模索中なですが、誰にも真似されない雰囲気のあるB-girlになりたいので、まず挑戦することは大事にしています。自分はパワームーブを結構やるんですけどB-girlがまだやっていないことを開拓していきたいというのもあります。

 

 


ー「浪速平成シスターズ」で活動したり、フリースタイルのバトルにも出たりしてる理由を教えてください。

まずはブレイクだけしているとカルチャー的に「バトル」とか「勝ちたい」とか、そればっかりになるんですよね。もちろん今も勝ちたいですけど、そればっかり意識するとダンス自体が楽しくなくなるんですよね。例えばバトルに招待されたりすると練習ではミスしないように、体力つけるようにってそればかりにフォーカスするんですよね。でもそればっかりだと勝ちには繋がるけど楽しくなくなるんですよ。そういう時期に「浪速平成シスターズ」で活動するようになったんですけど、あのメンバーって昔めっちゃスーパーキッズから始まってるメンバーばかりで、今でも凄いバトルや世界で活躍してるんですけど、でも根本にはダンスを楽しく踊りたい、という思いがみんなにあるんですよ。だからそういう人たちと一緒にいるとダンスを楽しめるんです。バトルしたりショーを一緒にしているとダンスって楽しいなって思わせてくれるんですよね。元々力が入りやすいタイプなので、バトルだけだとそれだけになっちゃって楽しむことを忘れるから、「リラックスする」ということを教えてくれる存在ですね。

 

 


ーそういう活動も最近のバトルでの勝負強さというか自分の成長につながっているということですね。

そうですね。まずは楽しんで。じゃないと自分が出したいものも出せないですし。ただやっただけ。このネタ3つ、ポン・ポン・ポン、はい終わり、みたいなんじゃなくて、流れている音楽、その場の雰囲気、ジャッジとか、観客も全部含めてその場を自分のものにして踊るっていう感じになったのは、「浪速平成シスターズ」の存在がデカイと思います。彼女たちは本当にダンス上手いんで刺激にもなるんですけど、逆に自分まだまだやな、ダンス下手やなというのも思わされます(笑)。

 

 


ー今や世界のトップB-girlとして認められている訳ですが、今後の目標とか活動を教えてください。

さっき言ったように誰かの目標になるようなB-girlになりたいですね。それは結果を残していて凄いからじゃなくて、人として目標にされるような、そんなB-girlになりたいです。今21歳なんでこれから就職活動したり、仕事をするようになったりして、今自分が想像するより大変なことが待っていると思うんですけど、そんな中でもダンスはしっかりと目標を持って頑張っていきたいです。就職がきっかけでブレイクをやめる人もいましたし、これからもそうだと思うんですけど、そうならないように今まで学校とダンスをうまく両立してやってきたのと同じように、これからは仕事と両立して、B-girlとしても活躍していけるようになりたいです。ダンスがメインではない生活は私には考えられないから、やめることはないしダンスはずっと続けていくつもりでいます。趣味というよりライフワークですね。

 

 


ー若い世代のB-girl達にメッセージをお願いします。

まず、みんな色んな事、バトルやイベントに国内国外問わず挑戦して欲しいですね。その姿を見て私も頑張ろうと刺激をもらえますしね。その場を経験して得るものが絶対あるんで、何?と言われても言葉で説明できない何か、その場で味わった何かが自分の強さとかそスタイルとか味とかに絶対繋がっていくと思うからもっと挑戦して欲しいです。人前でダンスを披露する、ショーでもいいし、バトルでもいいし、いろんな形でもっと出ていって欲しいなと思います。私が海外に呼ばれるようになったのは、日本の大会で名前を上げてたとかではなく、自分で台湾のイベントに出に行ったのがきっかけなんです。だからみんなも積極的に自分でチャンスを掴みに行って欲しいなと思います。

 

 

===PROFILE===
B-GIRL AYANE
所属チーム: K.A.K.B. 浪速平成シスターズ
レペゼン地区: 大阪
年齢: 21歳
ブレイク歴: 11年
ダンスを始めたキッカケ: 幼稚園の頃、スポーツジムに通っていた時にフィットネスでのダンスレッスンがあり初めて踊る事に触れる。ブレイキングは、小学4年の時にBe.b-boyで「SHIE-CHAN」vs「NARUMI」の決勝バトルを見て衝撃を受けたのがキッカケでスタート。

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